2010年3月6日土曜日

2500円ミロンガの薦め

いくつかタンゴイベントの価格帯について整理してみました。

どういうイベントが必要とされているか、何となく分かります。

1.タンゴイベントの価格分布
今のタンゴイベントを大まかに3種類に分類してみました。
※注:各線ごとの相対値だとお考え下さい。

2.タンゴダンサーの嗜好分布
その3種類の分類で、ダンサー歴に対するダンサー数の分布です。
1の図というのは、各タンゴイベントがどういうダンサーをターゲットにしているかという図なのか。

3.タンゴダンサーのライフライン(未完成)
これはまだ叩き台です。他にどんな人がいるんでしょう?
ちょっと緑の線なんか上の図が説明がつきませんな。


とりあえず、2500円という価格がこれからの一つの鍵なのかなと思います。
「踊り+α」を出せるかどうか。




主に1500円という価格帯を中心とした「踊り重視のミロンガ」
主に4000円という価格帯を中心とした「催し重視のミロンガ」
主に8000円という価格帯を中心とした「食事重視のミロンガ」

それぞれの住人はそもそもライフスタイルが全然違うので、重視する事柄も違っていて混ざり合う機会が少なく、

特に集客力のある催し重視のイベントで増えた初心者が、中級者~上級者になるに連れサロンから離れていく傾向にあるので、
2500円という価格のミロンガが今後の鍵を握っているのではないか、という仮説を立てました。

※2500円程度の入場料で行われているミロンガは既に沢山ありますが、ここでいう2500円というのは「1500円」的なダンサーと「4000円」的なダンサーを呼べるミロンガをイメージしています。

また、この日記では、こういうミロンガを2500円でやれば良いという類のことまで言うつもりは毛頭ありませんが、
何を重視して、どういうものを組み合わせてミロンガを開催していけばいいか、という参考になれば嬉しいと思います。



ミロンガの価格がどのように決まっているかを見るために、費用のかかる要因を考えてみようと思います。

まずミロンガという物を構成する最小限の要素を絵にしてみました。

ご存知のとおり、会場があって、DJがいて、水が適度に飲めれば、ミロンガになります。
オーガナイザーが誰で、会場がどこか。それだけで人が集まります。


※補足:「集客」「空間提供」「選曲」の3サービスを軸に書いています。



もっと一般的な形態を考えてみますと、次のようになります。

ミロンガ(サロン)は、会場やお酒などを除いてほぼ無形なサービス業だと思われます。

無形のサービス業であるから、集客面において、ブランドの意義は大きいと思われます。
オーガナイザーやダンスの先生、会の主旨や希少性・地域性、あとは人の出入りなどがブランド化して、前もって安心感のあるイベント作りというのが大切なんでしょう。


最後に、さきほどの3つの分類のうち、2つについて書いてみます。

踊り重視(1500円レベル)のミロンガ


催し重視(4000円レベル)のミロンガ


それぞれは重視する物を軸に、無駄を省いて最適化されて成り立っているものなので、
ここから単純に何かを足したり引いたりしていけば付加価値になるかと言うと、そうでもないでしょう。

たとえば、1500円のミロンガに、デモや生演奏を付けたからといって、
そもそも踊り重視の人たちが多く集まっているので時間の浪費になる可能性もありますよね。

1500円のミロンガに、4000円の人たち向けの要素を取り入れるのか、
4000円のミロンガから、1500円の人たち向けの要素に絞り込むのか、
もっと新しい視点で、1500円・4000円の人たち両方を取り込むのか、

どれが良いのか知りませんけど、
色んな可能性を目指すイベントがどんどん増えることを祈っています。

ちなみに、3月28日の「春の日ミロンガ」は2500円ミロンガを目指しています。(入場料は1000円ですが)



※以下は、おまけです。というよりまだ十分考えられていません。

「食事重視」というのはディナーショーのようなイメージですが、
ここからタンゲリーアのようなイベントを作るには何が足りないのでしょう。

食事重視(8000円レベル)のミロンガ


2010年3月2日火曜日

ブエノス風ミロンガ

ブエノスのミロンガってどんな印象ですか?


ブエノス風ミロンガに向けて随分前から想像を膨らませているのだけれども、
私はブエノスに一週間しかいたことがないので、正直あまり憶えていない。

しかも、私の行ったミロンガは、結構外国人が良く集まる観光スポットだということを後で聞いた。


そもそも、私が何故「ブエノス風ミロンガ」なるものを企画しているかというと、

1.「日本のミロンガ」は、「ブエノスのミロンガ」のどういうところが日本流にアレンジされてきたのか?
2.「日本のミロンガ」は、「ブエノスのミロンガ」に比べて、何が良くて、何が悪いのか?
3.「日本のミロンガ」に、「ブエノスのミロンガ」から、今後何かを取り入れられるのか?


という所をクリアにしたい思惑がある。

もちろん「ブエノスのミロンガ」と一重に言えるものではなく、おそらく歴史と共に多様化しているものだと思われるし、私はそもそもブエノス絶対主義ではないので、今どこかブエノスでやっている「ブエノスのミロンガ」の習慣やシステムをそのまま日本に取り入れても面白くないだろうと思っている。

ただ「ブエノスのミロンガ」と「日本のミロンガ」が違うということを意識しながら、少しずつ『違い』を吟味し、「ブエノスのミロンガ」のエッセンスを再翻訳する取っ掛かりとしたい。


また既に「ブエノスのミロンガ」を導入して練習会などを開催されている Kazukoさんのイベントなどもあるし、

これらは、今後「日本のミロンガ」がより個性を持ち、各所で棲み分けをやっていくための重要な試みだと思う。


Tokyo Milonga のサイトも、お読みください。
今回は、カベセオについて興味深い文章が載っています。

カベセオという名の挑発
http://www.tokyomilonga.com/2010/02/post-386e.html

Tokyo Milonga
http://www.tokyomilonga.com/


そんなことで昨夜、富士見会館で「ブエノス風ミロンガ」と称して実験的なミロンガを行いました。

小雨がちらつく中にも関わらず四十数人のダンサーで賑わいました。


踊る会であると同時に、

コルティーナ・カベセオ・モッソなど、日本ではあまり馴染みの無いシステムについて考えさせられる会となりました。


皆様にアンケートをお願いしたところ、現時点で15名(1~15と記載)から回答がありました。


以下、結果と頂いたコメント、及び僭越ながら一言考察を記載しております。



□自分の座席が決まっていることについて

快適だった 3 4 6 7 8 9 12 14
普通だった 1 2 10 15
不便だった 5 11 13
日本でやるべきだ 7 9 12
日本で有り得る 2 3 4 10 13 14 15
日本ではいらない

※コメント
7(入場者全員の席を用意するのは大変だけど楽で良い)


☆筆者談:概ね好評。ただし十分な席が無い場合に不満もある



□3~4曲ごとに同じような曲が連続で流れることについて


快適だった 4 6 9 10 12
普通だった 1 2 3 5 8 13 14 15
不便だった 7 11

日本でやるべきだ 2 4 6 9 10 12
日本で有り得る 3 13 14 15
日本ではいらない 7

※コメント
7(テンポが同じで飽きる)

☆筆者談:概ね好評。但し、選曲傾向やDJ担当などは「会」ごとに明記すべきであろうか。


□3~4曲ごと、タンゴ以外の曲を合図に座席に戻ることについて

快適だった 3 4 6 9 10 12 14
普通だった 1 2 5 7 8 13 15
不便だった
日本でやるべきだ 3 4 6 9 10 11 12
日本で有り得る 2 7 13 14 15
日本ではいらない

※コメント
7(1人の相手で4曲も踊れば十分)

☆筆者談:かなり好評。「会」として徹底すればうまく実現できそう。


□自分の座席に着いたまま踊り相手を誘うことについて

快適だった 8 9 12
普通だった 4 6 7 10 14 15
不便だった 1 2 3 5 11 13
日本でやるべきだ 2 7 9 12
日本で有り得る 3 4 10 13 14 15
日本ではいらない 1

※コメント
3(現状は難しい)
7(社交のように前まで行って合図は良くない)
13(けど難しいのでは・・・)

☆筆者談:概ね不評。今後可能性はあるが、慣れることが必要。やり方を教わる場もあって良いと思う。


□自分で飲み物を取りにいかないことについて

快適だった 8 9 11
普通だった 2 3 6 12 14 15
不便だった 4 5 7 10 13
日本でやるべきだ
日本で有り得る 2 3 4 12 14 15
日本ではいらない 7 9 10 13

※コメント
3(モッソ役が可哀相。かわいい。使い倒してやろう!!)
4(Mozaによりますが)
7(ボーイの人件費がかかり無駄だと思う)
12(本日はトライアルでしたかね・・(笑))

☆筆者談:概ね不評。「会」がお店で行われているならばやってもいいのかも。


□クンビアやフォルクローレについて

面白かった 3 4 10 11 15
まぁまぁ 2 5 6 9 13
つまらなかった 7 8 12
日本でやるべきだ 4 15
日本で有り得る 2 3 9 10 13
日本ではいらない 7 12

※コメント
7(タンゴを踊りに来ている。6時間くらいやるミロンガならあっても良いかも)
12(すみません。私はやりませぬ。)

☆筆者談:気に入った人、気に入らなかった人、大きく差があった。「会」としてやるかやらないかを明記すべきかと。


□何かアドバイスがございましたら・・・

1 カベセオに関して、距離が離れすぎているのか、相手からのリアクションがないので不便・不自由だった
4 お菓子がおいしかった
5 色々
6 最高の曲の選曲でした。サスガーです。
7 カベセオで合意するためにはお互いの踊り方/スタイルを理解する必要があるが、女性方も自分の意見を持つべき。全員着席とカベセオは良いしコルティーナも良い。但し4曲のタンダは違うテンポ/楽団で編曲する方が楽しい。
10 カベセオを取り入れたことでなかなか雰囲気の良いミロンガだった。適度な緊張感が出てよかったと思うが、個人的にはどんな顔していたらいいのかとか、間違ったらどうしよう・・・とか、ドキドキした。なれたら大丈夫かも???あとのみものは自分でとりに行けた方が気楽でよいと思った。
11 なかなかむずかしいことかもしれませんが。慣れてなくて。日本人がどこへ行っても、誘ったり誘われたりして楽しめたらステキですものネ。頑張りましょう!頑張ります。
12 とてもよい。素晴らしい試みだったと思います!周りからは多少の「戸惑い」の声も聞こえてきましたが、皆さん慣れればこちらのよさをお分かりいただけると思います。是非続けて下さい!ありがとうございます。
13 面白い企画でした。視線を合わすのが難しい場合が多いのを痛感しました。ウーン、この方式のミロンガが日本で流行るとは思いません。